<1回目>
ナ「ねぇ、そこのエロザルさん…?
  ちゃんとお仕事してますか?」
ジ「仕事ですか?
  僕は、ちゃんとやってるつもりですけど…」
ナ「違うわっ! ヒーラーだから
  ヒーラーとしての仕事だけすればいいの?
  そうじゃないでしょ! あんたの場合!」
ナ「あんたには、もっとするべきことがあるでしょ!?
  それができなきゃ、あんたはただのヘタレザル!」
ジ「ヘタレザル…って……
  ナナエルさん、口が悪すぎですよ…」
ナ「悪いけど、これは生まれつき!
  あんたみてるとね……
  ヘタレ以外の言葉がみつからないの!」
ジ「はい、そこは…努力します。
  で、それはそれとして…
  僕がやるべきことって何ですか?」
ナ「決まってんじゃない!
  キュートよ、キュートっ!
  あの子をしっかり守るのが大事!」
ナ「あの子ってば、ひいき目に見ても…
  強いという部類には入らないっしょ?
  むしろ、おにもつに毛の生えたくらい?」
ジ「お嬢様は……もちろんです!
  僕は、お嬢様を守るために
  一緒にいるんですからっ!!」
ナ「よっしゃ! よく言った!
  それじゃあ、その決意のほどを
  みせてもらいましょうか?」
ジ「そ、そうですね…が、頑張ります。
  でも…どうやって?」
ナ「そうね……じゃあ……」
ナ「ガケからすべり落ちそうになっている
  キュートを、腕一本で支える!
  そのうえ引き上げて助ける!」
ナ「キュートがケガをしたら、
  その場で治療を施すよりも、
  安全な場所まで背負って、そこで治す!」
ジ「…なんだか、すごいこと言ってる気がするんですけど?」
ナ「何も言ってない! そうだっ!
  次に戦いがあったら即実行ねっ!」
ジ「い、いや…そんな状況が起きるとは
  限らないと思うんですけど…」
ナ「さっき、あたしが言った
  シチュエーションができるように、
  みんなで協力してあげるわ!」
ジ「って…つまりそれは……
  お嬢様をガケから突き落としたり、
  ケガをさせるってことですか!?」
ナ「大丈夫! あんたが助けるから!」
ジ「無茶言わないで下さいっ!」
ナ「なんだよぉ〜! そこでがんばって、
  キュートとのラブラブなところ
  見せてよぉ〜!」
ジ「ナナエルさんの趣味で、
  お嬢様を危険にさらさないで下さいっ!」


 <2回目>
ジ「前から気になってたんですけど…」
ナ「何よ? あんたでも、何か気にすることなんかあるの?」
ジ「そりゃありますって!
  どんだけ僕のこと、脳天気だと思ってるんですか!」
ナ「あ〜はいはい、わかったわかった。
  で? 何が気になんの?
  どうしてあたしが、こんなに美しいかってこと?」
ジ「違いますって!!」
ジ「それですよ! ナナエルさんが腰につけてる…
  その…聖乳でしたっけ?
  それ、一体なんのためにつけてるんですか?」
ナ「!」
ナ「…ふっ……そう………
  あんたも、とうとうこれに気づいたのね…」
ジ「いや…普通、すぐに気づきますって。
  何なんです? それ……」
ナ「いいわ! 特別に教えてあげちゃう!
  聖乳…それは、有能な超一級天使の証!
  天界における、エリートのシンボル!」
ナ「その能力と功績が認められ…
  地上での、名誉ある任務を任された
  一部の天使だけに与えられる…」
ナ「そんな特別な物なのよ!
  この聖乳というものはっ!!」
ジ「はぁ…」
ナ「さぁ! 地上のおサルどもよ!
  あたしを称えまくるのよっ!
  そして、救いを求めなさい!」
ナ「この、超絶特級美天使、ナナエル様にねっ!
  ほーっほっほっほ!」
ジ「はぁ〜、なるほど…そういうものだったんですか…」
ナ「そうよ? だからあたしを尊敬しなさい。
  そしたら、靴磨きぐらいはさせてあげてもいいわよ!」
ジ「でも…なんか……
  前に、どこかで聞いた話とは違いますねぇ…」
ナ「…なぬ?」
ジ「僕が聞いた話だと…
  それって、ダメ天使に試練として
  渡されるものだっていうことだったんですけど…」
ナ「!! …サ、サル…っ! あんた…!」
ジ「はい? なんでしょうか?」
ナ「…知ってて…わざと聞いたわねっ!
  ヘタレザルのくせに、生意気なマネをぉぉおお〜っ!」
ジ「い、いえっ! た、ただ僕は
  噂の真偽を確かめようと…!」
ナ「問答無用〜っ!
  そういうことを思いつくのは
  この頭か! この頭か! この頭か〜っ!」
ジ「あたっ! 痛っ! ご、ごめ…
  あたたっ! ごめんなさ〜〜いっ!」



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