フェアリー

暫定的に"フェアリー"のデフォルト名"シャルロット"で載せる事にします。

第一回

ジャン:
最近、全然ゆっくりしてなかったし、
たまには散歩でもしようかな〜。

???:
きゃっ!

ジャン:
ん? 今の声は…

???:
ちょっと! あぶないでしょ?!

ジャン:
声はするのに、姿は見えず…
ま、まさか! ゴースト!?
助けてメルファさーん!

シャルロット:
そんなわけないでしょ!
えいっ!

ジャン:
いたっ! いきなり足が…
って、シャルロットさん!
何するんですか、いきなり!

シャルロット:
当然の報いでしょ!
わたしを蹴飛ばそうとした上に
謝りもしないなんて…

ジャン:
え? あ、そうだったんですか…
すいません、全然気づきませんでした。

シャルロット:
っ! 私を上から
見下ろすんじゃないっ!

ジャン:
いったぁっ!!
す、すねが…折れてはいないけど…
真紫色に…

シャルロット:
自業自得よ!
しばらくそうして転げてなさい!

ジャン:
そ、そんな…僕、
何か悪いことしました…?

シャルロット:
ふんっだ!
わたしが小さいからって、
偉そうにするんじゃないわよっ!

ジャン:
えぇ、そんなつもりじゃ…
そもそも、小さくて
何が悪いんですか?

シャルロット:
ま、また言った…!!

ジャン:
僕は、大きくても小さくても
気にしませんよ!

シャルロット:
…大きいからって…

ジャン:
え?

シャルロット:
大きいからって、
威張るんじゃないわよっ!!

ジャン:
えぇ?! 僕がですか?
…も、もしかして、胸の話じゃ
なかったんですか?

シャルロット:
身長の話よ!

ジャン:
あ、そうだったんですか!
僕は、てっきり貧乳で悩んでるのかと…

シャルロット:
っ! う…うるさぁぁぁぁいっ!!

ジャン:
ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!

シャルロット:
ふんっ!

ジャン:
な…なるほど…
ちっちゃいは禁句なんだ…
き、気を付けよう…げふぅ…

第二回

ジャン:
よし! 足元には誰もいないな…
はぁ…散歩するのも一苦労だなんて…

でも、うっかりすると
この前みたいなヒドイ目に…

シャルロット:
そうなの…ふふ…

ジャン:
はっ! シャルロットさんの声!
良かった、足元じゃない…

向こうの方から聞こえるな…

シャルロット:
そうなんだ!
みんな、この近くに住んでるのね。

ジャン:
あ、いたいた! シャルロットさんと…
何だろう、あの生物?
鹿のような牛のような…

シャルロット:
きゃっ! そんなトコなめないで!
きゃはは! くすぐったいから!

ジャン:
むふぉ! 妖精と異形のからみ…
うっ…鼻血が出そう…

シャルロット:
あっ! そこっ…
ダメだったら・・・! んっ!
くすぐったい…ってば! もう!

ジャン:
な、何と言う桃源郷…
グッジョブ! 謎の生物!

そうだ! この素晴らしい光景を
後世に伝えなくては…!
紙とペン…紙とペン…

あった! …目の前に現れた光景は、
可愛らしい妖精が奇妙な生物に
なめ回されるという、何とも…

シャルロット:
…あれは、精霊の一種よ。
地面から生まれるの。

ジャン:
あ、そうなんですね!
ありがとうございます。
奇妙な精霊になめ…はっ!

あ、シャルロットさん…?
そ、そんなところで何を…?

シャルロット:
それは、こっちのセリフなんだけど。
そんなところで何をしてるの?

ジャン:
いや、僕はその…心穏やかに書物を
したためようかなーなんて…

シャルロット:
のぞきをしながら?

ジャン:
えーっと、それはその…

シャルロット:
ふん! これだから人間は…!
もう、近づかないでよね!

ジャン:
…ふぅ、助かったぁ!
また、手榴弾を食らうかと思った…

今度は、見つからないように
そーっと近づこう…

ん? 何だ、今の音…って、これは!
シャルロットさんのマイク型手榴弾!?
しまっ…!!

…あれ? 爆発しないな…
よかった、不発だったのか!
ラッキー!

よぉし! 追跡再か…

ぎゃあぁぁぁぁっ!

…じ、地雷…?
そ…そうか…あのマイクには…
こういう使い方もあるんだ…げふっ。

第三回

ジャン:
ん…? こんなところに血痕が…
向こうの方まで続いてる…

モンスター…じゃないな。
人か亜人のものっぽいけど…
山賊だったりしないよな…?

…何にせよ、ヒーラーとして
けが人は放っておけないな…
一応、行ってみるか…

シャルロット:
…痛っ…くっ!

ジャン:
シャルロットさん!
ど、どうしたんですか、その腕!

シャルロット:
ジャン! 何、またのぞき!?

ジャン:
違いますよ! 地面に血が付いてたから、
誰かケガしたのかと思って、
たどって来たんです!

そんなことより、その腕の傷は?

シャルロット:
っ! べ、別に何でもないわよ…
さっき、戦闘中に転んで、
そばの石で切っただけ!

ジャン:
意外とうっかりさんなんですね…
ともかく、傷を見せてください。

シャルロット:
…何よ、杖なんか取り出して?

ジャン:
何って、治療ですよ!
血が出てるじゃないですか。

シャルロット:
いや。

ジャン:
は?

シャルロット:
人間なんかに助けてもらうなんて、
絶対にいや!

ジャン:
そんな、意地張らなくても…
と言うか、何でそんなに
人間を嫌うんですか?

シャルロット:
…胸に手を当てて、
よく考えなさいよ。

ジャン:
では失礼して…

シャルロット:
自分の胸よ!

ジャン:
冗談ですよ。
場を和ませようと思いまして…

シャルロット:
全く…

ジャン:
あはは、すいません。
じゃ、改めてヒールを…

シャルロット:
だから、いらないってば!
こんな傷すぐ治るし、
人間の助けなんていらない。

ジャン:
…分かりました。
じゃあ、帰っちゃいますよ?
本当に大丈夫なんですね?

シャルロット:
……

ジャン:
…あぁ、大変だぁ。
傷薬を落としてしまった。
おかしいなぁ、見つからない。

シャルロット:
急に何よ?

ジャン:
まぁいいか。また調合しよう。

シャルロット:
何よ、下手な芝居して…

人間のくせに…変なやつ…

第四回

ジャン:
うーん…シャルロットさんってば、
何であんなに人間を嫌うんだろう?

ヒールもさせてくれないなんて、
よっぽど嫌いな証拠だよなぁ…

一体、どうすれば仲良く
なれるんだろう…

何か、共通の話題でもあれば、
少しは話が出来るのかな…

精霊:
……

ジャン:
うーん…おや?
あの鹿みたいな奇妙な生物は…
地面から生まれる精霊だっけ…?

そう言えば、シャルロットさんって
精霊と仲がよさそうだったな。

ってことは、精霊と仲良くなれば、
シャルロットさんとも、少しは仲良く
なれるかも…!

とりあえず、話しかけてみよう!

あの〜…

精霊:
……!!

ジャン;
あ、逃げられた…! って、足早っ!
走って追いかけるのは、
絶対に無理だな…

よし! こうなったら、
ワナを仕掛けよう!
足さえ封じれば、きっと…痛っ!

何だ!? 頭に何かが…って、これは!
マイク型手榴弾…!

ぎゃあぁぁぁぁっ!

シャルロット:
精霊をいじめるな!!

ジャン:
あ、シャルロットさん!?
何でこんなところに?

シャルロット:
精霊に呼ばれたからよ!
人間に襲われている、
助けて…ってね!

ジャン:
言葉がわかるんですか?!

シャルロット:
妖精なんだから、当たり前じゃない!
そんなことより、精霊を捕まえて
いったい何をする気だったの?!

ま、まさか…食べ…

ジャン:
そんな、誤解です!
これには深いわけが…

シャルロット:
何を今さら…!
ワナがどうとか言ってたじゃない!

ジャン:
はっ! 目的を見失ってた!
違うんです! ただ、仲良くなろうと
思ってただけなんで…

またかぁぁぁぁぁっ!

シャルロット:
全く! これだから人間は…!
ちょっと見直してたのに…

ジャン:
…ご、ごめんなさい…がくっ…

第五回

シャルロット:
どうしよう…このままじゃ…

ジャン:
シャルロットさん。
どうしたんです?
何か困りごとですか。

シャルロット:
ジャン! …何でもないわ、
人間には関係ないことよ!

ジャン:
で、でも…すごく困ってるように
見えるんですけど…そんな時は、
お互い様ですよ!

シャルロット:
……

ジャン:
…シャルロットさん?

シャルロット:
…仕方ない…ジャン、
傷薬、売ってもらえない?

ジャン:
え? すいません、
ちょうど切らしてるんですが…
どこかケガしたんですか?

シャルロット:
…タイミングが悪い…
こうなったら…!

ジャン:
何ですか?

シャルロット:
…ついて来て!

ジャン:
え? あ、待ってください!

精霊:
……

ジャン:
この奇妙な生物は…
もしかして精霊ですか?
ケガをしてるみたいですが…

シャルロット:
あなた、ヒーラーだったわよね?
この子の傷、直せるわよね?

ジャン:
え、えぇ、もちろん…
じゃ、早速…

精霊:
……!

ジャン:
大したケガじゃなさそうです。
すぐに動けるようになりますよ。

シャルロット:
よかった…ケガしてるの見つけて、
どうしようかと…

ジャン:
こんなことなら、もっと気軽に
頼んでくれてもいいのに…

シャルロット:
…代償は何?

ジャン:
代償? もしかして、
今のヒールですか?

シャルロット:
そうよ。人間は、何をするにも
代償を取るものなんでしょ?

あぁ、だからさっき傷薬を売れと…
別にこれくらい、いいですよ。
大したことしてませんし…

シャルロット:
そんなこと言って、後から急に
何か要求するんでしょ!

ジャン:
そんなことしませんって!
…分かりました、それじゃあ、
僕を信用してください。

シャルロット:
…何それ?

ジャン:
そのままの意味ですよ。
後から、何か要求なんてしません。
信じてください、それが要求です。

シャルロット:
それだけ? お金とかじゃないの?

ジャン:
まぁ、一人前ならともかく、
僕は半人前のヒーラーですし…

シャルロット:
ふーん…人間にしては、いいや…
じゃなくて、変わってるわね。

ジャン:
そうですか? 僕はむしろ、
すごくまともなつもりですけど。

シャルロット:
…ありがと…!

ジャン:
え? 今、何て…
あ、行っちゃった…

もしかして、お礼だったのかな…?

第六回

ジャン:
…ん? 何の音だ? 何か聞こえる…

これは…声? じゃなくて、歌?
こんなところで、歌が聞こえるなんて…

向こうから聞こえるな…

シャルロット:
〜♪

ジャン:
うわ! 精霊がいっぱいいる…!
あれ? 中心にいるのは…

…シャルロットさん?
歌詞は分からないけど、
すごく綺麗な歌声だ…

…妖精の言葉かな?
精霊たちも聞き入っている…ように見える。

…せっかくだし、
もうちょっと近くに…

精霊:
…!!!

ジャン:
わっ! ご、ごめん!
尻尾踏んじゃった!

シャルロット:
誰! …人間?!
見られたからには、ただでは…

ジャン:
ちょっと待って!
マイクを投げないでください!
ぼ、僕ですよ!

シャルロット:
…何だ、ジャンだったの?
もう、驚かせないでよ。

ジャン:
それは、僕のセリフですよ!
いきなり、マイクを投げようと
しないでください!

シャルロット:
そういうしきたりなの。
歌う姿を人間に見られてはいけない。
見た者は…

ジャン:
み、見た者は…?

シャルロット:
まぁ、あなたは悪い人間じゃ
ないみたいだから、見逃してあげる。

ジャン:
(よ、妖精って…
意外と怖い生物だったんだ…)

…それにしても、シャルロットさん、
そんな特技があったんですね!
すごく綺麗な声でした!

シャルロット:
ふふ…歌うの好きだから、
そう言ってもらえると嬉しい…

ジャン:
(あ、照れてる…)

シャルロット:
さて、と。
今日はもう、おしまいね。

ジャン:
え? まだちょっとしか
聞いてないんですけど…

シャルロット:
だって、さっきの騒ぎで
観客の精霊たちが
いなくなっちゃったし…

ジャン:
あの…まだ僕がいるんですけど…

シャルロット:
ダーメ! 見逃すだけで
十分特別なんだから!
独り占めなんてさせないわよ?

ジャン:
えぇ〜そんなぁ〜…

第七回

ジャン:
……

???:
ジャン!!

ジャン:
この、足元から声が聞こえる
パターンは…シャルロットさん?

シャルロット:
ちょっと! 見下ろさないでよ!

ジャン:
そう言われても、身長差はどうにも…
って、空飛べばいいじゃないですか。

シャルロット:
それもそうね…よっと!
せっかくだから、たまには
見下ろす位置に…

ジャン:
っ! 純白のパンティ…!!

シャルロット:
…! 何するのよ!
このスケベ!!

ジャン:
痛っ! 自分からその高さに
飛んだんじゃないですか!

シャルロット:
全く…人間は油断もスキもない…

って、それどころじゃなかったわ!
ジャン、ついてきて!

ジャン:
あ、ちょっと! 待ってください!

精霊:
……

ジャン:
(タヌキっぽいけど…
何か変な生物がいる…)

もしかして、また精霊が
ケガしたんですか?

シャルロット:
うん、助けを呼ぶ声が聞こえて…
ジャン、ヒールをしてあげてくれない?

ジャン:
もちろんいいですよ。
じゃ、早速…

精霊:
……!

ジャン:
この精霊も、大したケガじゃないです。
きっとすぐによくなると…

シャルロット:
さ、次に行きましょ!

ジャン:
え? あ、ちょっと!

精霊:
……

ジャン:
(今度は…何だろう?
形容しがたい形をしている…)

…この精霊もですか?

シャルロット:
うん。

ジャン:
分かりました…

精霊:
……!

ジャン:
あの…さっきの精霊もそうですけど、
あんまり大したケガじゃ
ないみたいですけど…

シャルロット:
終わったわね!
それじゃ、次に行きましょ!

ジャン:
えぇ〜?!

ジャン:
…はぁ…はぁ…はぁ…
こ、こんなにヒールをしたのは、
初めてです…

シャルロット:
お陰で、この辺りの精霊は、
みんな元気になったわ!

ジャン:
それはいいんですが…
大したケガじゃない精霊が
多かったような気が…

シャルロット:
でも、痛がってるのに放っておくのも、
気分が悪いじゃない?

ジャン:
それはそうですが…
さすがに…疲れました…

シャルロット:
あ、また精霊の声が…

ジャン:
えぇ!? もう限界です…

シャルロット:
…仕方ないわね。
今度、特別なお礼をしてあげるから、
もうちょっと頑張って!

ジャン:
特別? 一体どんな…?

シャルロット:
それは、その時のお楽しみよ。

ジャン:
…はぁ、分かりましたよ…

第八回

ジャン:
シャルロットさん…
こんなところに呼び出すなんて…

この前のお礼を、って言ってたけど、
何でわざわざ、こんな人気のない
場所に…?

まさか…愛の告白?!
わたし自身がお礼よ…?!

…なわけないよな。
種族が違うし、体格も違うし…

いや、待てよ…! 昔読んだ神話に、
人間と結ばれた神様ってのが
いた気がする…

シャルロット:
神様がどうしたの?

ジャン:
!! い、いえいえいえ!
何でもありませ〜ん!

そ、そんなことより、
何でこんな場所に
呼び出したんですか?

シャルロット:
それは…その…
もう、分かってるくせに!

ジャン:
(え? 照れリアクション?!)

(人気のない場所に呼び出して…
しかも照れた雰囲気…
ひょっとして…ひょっとするのか…?)

シャルロット:
特別なお礼を…しに来たの…!

ジャン:
(来たこれー!!)

(ここから妄想)

ジャン:
みなまで言わないでください…
シャルロットさんのお気持ちは、
よく分かりました…

シャルロット:
え?

ジャン:
愛の前には、種族も体格差も
関係ありませんよ! それに…

シャルロット:
それに…?

ジャン:
僕は…ちっちゃい人も大好きです!!

シャルロット:
ちっちゃいって言うな…もう!
…でも、嬉しい…

ジャン:
(か、かわいい…)

シャルロット:
ジャン…

ジャン:
シャルロットさん…

(キスシーン)
シャルロット:
ねえ、触ってみて
小っちゃいけど…ドキドキしてるのがわかる?

ちょっと、怖いけど…

来て…

ん…溶け…ちゃいそう…

(現実)
シャルロット:
ちょっと、ジャン!
何よ、その顔! ちゃんと聞いてる?

ジャン:
え、あれ?

シャルロット:
やっぱり聞いてない!
せっかく気持ちをこめて歌ったのに!

ジャン:
…それは…どういう…?

シャルロット:
もう! どこから聞いてなかったのよ!

この前のお礼だってば!
ジャンのためだけに歌うって…

ジャン:
特別なお礼って…

シャルロット:
当たり前でしょ!

人間の前で歌うのだって特別なのよ?
人間のために歌うんだから、
それはもう、すごく特別!!

そんな名誉な人間、
ジャン以外には、
きっと誰もいないわよ?

ジャン:
あ、ありがとうございます…

(し、しまったぁ…!
妄想にハマりすぎて…
大事なものを聞き逃しちゃった!)




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Last-modified: 2011-09-18 (日) 14:59:11 (2984d)