ラヴリラ
暫定的に"ラヴリラ"のデフォルト名"アニー"で載せる事にします。
第一回 †
アニー:
やっほー!
ジャン:
うわっ! 何ですかいきなり?
あなたは、えーと…
アニー:
アニーだよ!
ジャン:
そう言えば、ちゃんと自己紹介を
してなかったですね。
アニー:
初対面じゃないけどねぇ〜。
ジャン:
じゃ、改めて…僕の名はジャン。
ヒーラー見習いです。
アニー:
おっけー! アニーだよ!
よろしく、ジャン!
お仕事は、まほーつかい!
ジャン:
よろしく、アニーさん!
アニー:
ぶぅ〜! さん付けとかやだなぁ〜?
アニーちゃんだよ〜?
ジャン:
あはは、分かりました。
ところで、まほーつかいって、
『魔法使い』ですか?
アニー:
うん、そう!
魔女っ娘のアニーちゃんだよ!
ジャン:
へぇー、魔法が使えるんですか!
すごいですねぇ!
しかも『魔女っ娘』ですか…
ってことは、10歳ぐらいですか?
アニー:
ぶっぶー! さんぜん…
ジャン:
さんぜん?
アニー:
っ! じゃなくて、12歳でしたぁ!
ジャン:
え? でも今、さんぜんて…
アニー:
な! 何でもないよぉ!
気のせいじゃないかなぁ?
ジャン:
いや、確かにさんぜ…
アニー:
むぅー!!
ジャン:
? アニーさん? どうしたんです?
急に髪の毛が動いて、
僕の背後に回って…
ぎゃああああっ!!
あぢぢぢぢぢぢっ!
お尻が! お尻が焦げるっ!!
アニー:
マナー違反だよぉ!
レディの歳を聞きだろうなんて!
ジャン:
そんな…今さら…て言うか、
そもそもレディって歳じゃ…
アニー:
っ!!
ジャン:
いや! 何でもないで…
アニー:
ぷっ……ぷぷっ……
ぷぷぷぷぷっ!
ジャン:
?
アニー:
きゃははははは!
お尻! お尻まるだしーっ!
はっずかしー! あははははは!
あははははっ!
やーいやーい! お尻人間―!
あはははははははっ!
ジャン:
あ! アニーさん!?
……行っちゃった。
(マイペースと言うか…天然と言うか…
どっちにしろ、変な人だ…)
(何にせよ、歳の話は
しないように気をつけよう…)
(あと、早くズボンを直さないと…)
第二回 †
ジャン:
…あの人影はもしかして…
アニーさ〜ん!
アニー:
ぶぅ〜! アニーちゃん!
だってばぁ〜!
ジャン:
いや、でも…
(年齢を聞かれて『さんぜん…』
って言いかけた人を、
『ちゃん』と呼ぶのはちょっと…)
アニー:
なぁに?
ジャン:
いえ、何でも…
優秀な魔法使いさんに対して
ちゃん付けは、少し抵抗が…
アニー:
え〜? そうなの?
ジャン:
え、ええ。なんていうかその…
すごい技をお持ちの
珍しい職業の方ですし。
(それっぽい人が身近にいないことも
ないけど…あの人たちはさすがに
3000歳じゃないだろ…)
(ない…よね?)
アニー:
そうなんだぁ!
わたしが住んでた魔法大陸は、
みんな当たり前に魔法を使ってたよ!
ジャン:
そ、そんな世界もあるんですね…
アニー:
ふっふっふ〜! スゴイでしょ〜!
ジャン:
(うらやましい…姿を消す魔法とかが
使えたら…あんな事やこんな事が…)
アニー:
ジャン?
ジャン:
いえ、何でも…じゅるり。
と、ところで、アニーさんは
どんな魔法が得意なんです?
姿を消す魔法とか、得意だったり…?
アニー:
わたし? わたしはぁ…
これが得意だよ〜!
ジャン:
ぎゃあああっ!!
アニー:
でも、一番好きな魔法はこれっ!
ジャン:
ぎぃええぇぇぇ!!
アニー:
ジャンがズタボロだぁ!!
あははっ!
ジャン:
こ、攻撃魔法ばっかり…
し、しかも、なぜわざわざ僕に…?
アニー:
え〜っ? だってぇ、得意な魔法って
言ったでしょ〜?
それに。攻撃魔法って
目標がないと使えないんだモン。
ジャン:
な、なるほど…ぐふっ…
アニー:
それに、ズタボロのジャンも
見たかったし!
ジャン:
(何という…マイペース…
恐るべし…)
第三回 †
ジャン:
魔法…魔法かぁ…
アニーさんの話だと、
みんな使ってるっていうし…
練習すれば、僕でも
使えるようになるかも!
そして! 姿を消す魔法で…じゅるり。
ついでに、バトルの時にも
役立つかもしれないし、
魔法を教えてもらおう!
アニーさ〜ん!
アニー:
うにゅ? 呼んだ?
ジャン:
突然ですが、魔法の使い方を
教えてもらえませんか?
アニー:
うん、いいよ〜!
まず、この辺にぎゅ〜っと力をためる。
そうすると、頭のこの辺がポワ〜っと
してくるの。
その後、だんだん体がぶわ〜って
なったら、これで準備かんりょ〜!
最後に、呪文を唱えると
魔法がズババーって…簡単でしょ?
ジャン:
さっぱり分かりません…
アニー:
え〜っ? 何でぇ?
ジャン:
何でと言われても…
アニー:
じゃ、実際にやってみよっか!
そしたら、きっとわかるよね!
ジャン:
お願いします!
アニー:
それじゃ、この上に立ってみて。
ジャン:
何ですか、この丸い模様…?
アニー:
魔方陣だよ!
じゃ、早速やってみよ〜!
ジャン:
やってみようといわれても…
一体、どうしたら…
アニー:
わたしをじーっと見ながら、
頭にぐーっと力を…
ジャン:
要するに、アニーさんを目標にして、
念じろってことですか?
アニー:
ぴんぽ〜ん!
ジャン:
でも、それだとアニーさんに
魔法が当たっちゃうんじゃ…
アニー:
でも、目標は人間のほうがいいし、
迎撃するからだいじょ〜ぶ!
ジャン:
…分かりました。
じゃあ、遠慮なく…はぁっ!
なっ…不発…!?
アニー:
あ…ゴメン。
ジャン:
ぐはっ!
アニー:
あはは!
迎撃魔法だけ出ちゃった!
ジャン:
ごほっ…ごほっ…これぐらいなら、
いつもよりマシですけど…けむい…
アニー:
おっかしいなぁ〜?
一番簡単な魔法だったのに…
あ、そっか!
ジャンってば、魔法使いの才能が
ゼロなんだぁ!
ジャン:
どうやら…そのようですね…
(ざ、残念だ…)
第四回 †
ジャン:
あ、アニーさん。
こんなところで何を…
アニー:
むにゅぅ…ごはん…まだぁ…?
ジャン:
アニーさん? …寝てる。
こんなところで寝てると
風邪を引きますよー。
アニー:
にゅぅ…むぅ…
ジャン:
下、地面なのに…
寝返り打って、痛くないんだろうか?
はっ! マントがめくれて、
すき間からヒップラインが…ゴクリ。
いや! いやいやいや!
いくら何でも、こんなちっちゃい子に…
いやでも、年齢不詳だし…
アニー:
うにゅ? どしたの、ジャン…?
ふあぁ〜…変な顔してぇ?
ジャン:
な! 何でもないですっ!
(さっきの光景が目に焼きついて、
顔をまともに見れないっ…!)
アニー:
顔がまっかっかだよ〜?
風邪でも引いたんじゃない?
ジャン:
だ、大丈夫です! アニーさんこそ、
そんな場所で寝てたら風邪ひきますよ?
アニー:
ふわぁ、よく寝たぁ〜…
うん! スッキリしたし、
魔法の練習でもしよっかな!
ジャン:
聞いてないし…
アニー:
そんなところにいると危ないよ〜?
クロコゲになっちゃっても
知らないよ〜。
ジャン:
ちょっ! 待ってください!
今どきますから…
アニー:
おっけ〜!
それじゃ、改めて…ん〜〜〜!!
ジャン:
おぉっ! マントがめくれて、
またもヒップラインが…!!
アニー:
ひっぷらいん?
おしりがどうしたの〜?
ジャン:
(しまった! 思わず声が…)
いやその…あ、そうだ!
アニーさんが魔法を使うとき、
おしりの辺りが光ってるんですよ!
アニー:
え〜っ? そうなんだ〜!
ジャン:
え、ええ! そうなんですよ!
なので、魔法を使うための
参考になるんじゃないかな〜と。
決して、イヤらしい目で見ていた
わけでは…
アニー:
どこどこ? 教えて〜!
おしりのどこが光ってたの?
このあたり?
ジャン:
(お、おしりをまくった!?)
むぐっ! し、白くて…丸くて…
(目…目の前に…
文字通り桃源郷が…)
ぶはっ!!
アニー:
ジャン?!
鼻血がどばーっと出てるよ!
ジャン:
ぜ、絶景かな…絶景かな…がくっ。
第五回 †
アニー:
ん〜〜〜!! たぁっ!!
ジャン:
(アニーさん、何してるんだろう?)
アニー:
はりゃりゃ〜また失敗しちゃったぁ。
ジャン:
何が失敗したんですか?
アニー:
うにゅ? んっとねぇ〜
新開発の移動魔法だよ〜!
ジャン:
移動魔法…ですか?
アニー:
うん! 自分の行きたいところに
ヒュパッと行ける魔法!
ジャン:
それはまた、のぞきに…いえいえ、
旅するのに便利な魔法ですね!
で、それが失敗した…と。
アニー:
ぶぅ〜! 失敗じゃないモン!
攻撃魔法以外、苦手なだけだモン!
ジャン:
(自分で失敗って言ってたのに…)
ま、まぁ…苦手を克服するのは
いいことだと思いますよ。
アニー:
でしょ! えっへん!
ジャン:
(で、このいっぱい書かれた
魔方陣の数だけ失敗したんですね…)
アニー:
気をとりなおして、もっかい!
ジャン、そのあたりに落ちてる石を
魔方陣の上にのせて!
ジャン:
あ、はい。ひとつでいいですか?
アニー:
ん〜、せっかくだから、
いっぱいのせて!
ジャン:
分かりました。
これでいいですか?
アニー:
おっけ〜!
じゃ、いっくよ〜!
ジャン:
なっ!
アニー:
うにゅ?
偽アニー1:
にゅにゅ?
偽アニー2
うにょ?
ジャン:
アニーさんが…増えた…
アニー:
おもしろ〜い!
また姉妹がいっぱいできちゃったぁ!
ジャン:
『また』って何ですか!
『また』って!
前にもあったんですか!?
偽アニー1:
わーい!
偽アニー2:
おねーちゃーん!
ジャン:
これって、明らかに移動魔法としては
失敗ですよね…?
偽アニー1:
おね〜ちゃ〜ん!
あたし、おなかすいた〜!
偽アニー2:
わたちも〜!
アニー:
そう言えば、わたしもお腹空いたかも…
ジャン、ゴハン作って〜!
ジャン:
(全然聞いてないし)
偽アニーたち:
ゴハン〜!
ジャン:
あー、はいはい!
分かりましたってば!
ジャン:
お待たせしました…って、
アニーさん、おひとりですか?
他のアニーさんは…
アニー:
うん、2〜3分したら、
消えちゃった。
この世界だと効果が薄いみたい。
ジャン:
あ、そうなんですか…
(ご飯…作り損だ…)
アニー:
あ〜、楽しかった!
第六回 †
ジャン:
……
???:
ジャン〜。
ジャン:
ん? あの声はアニーさん?
アニー:
お〜い!
ジャン:
何ですか…って、うわ!!
アニーたち:
ジャン〜!
アニーたち(色違い):
ジャン〜!
アニーたち(色違い2):
ジャン〜!
ジャン:
アニーさんがいっぱい…
突っ込んで来る……?!
うわぁぁぁぁ!
あれ…僕は一体…?
周りがやけに暗い…
それに何だか暖かいし…
柔らかい感触が…って!
アニーたち:
やん!
ジャン:
アニーさん…がいっぱい…
ジャン:
そうだ…アニーさんの
雪崩に巻き込まれて、それで…
アニー:
うにゅ? あ、ジャンめっけ!
ジャン:
もしかして、本物のアニーさん?
…さては、また移動魔法の練習を
してましたね…?!
アニー:
ん〜ん! 違うよ〜!
この前のが面白かったから、
もっかいやってみたの!
ジャン:
わざとですか…
って、そんな事よりも。
この状況、何とかしてください!
ある意味ハーレムですけど…
全員、同じ顔だとやはり…
アニー:
え〜っ? 楽しいし、やだ!
ジャン:
って、どの道2〜3分で
消えるじゃないですか…
あれ…?
もう、5分くらい経ちましたよね?
アニー:
なるほどなるほど〜
石ころより、かなり効果が長い…と。
ジャン:
な、何がですか…?
アニー:
今回はねぇ〜石ころじゃなくて
わたしの髪の毛を使ったの!
魔力たっぷりだよ!
ジャン:
え…? じゃあ、一体どれくらい…?
アニー:
さぁ〜? これも実験うちだしっ!
ジャン:
た、他人を巻き込まないでください…
な…何だか…
息苦しくありません?
アニー:
そぉ?
ジャン:
もしかして…酸欠…?
あ…視界が暗く…
(…かわいい女の子に囲まれて死ぬ…
ある意味…天国なのかも知れない…)
…っ! げほっ…げほっ!
い、生きて…る?
アニー:
わたしの髪で30分かぁ…
もっと魔力をこめたら、この世界でも
1時間くらいいけるかな?
ジャン:
も、もう二度とやらないでください…
アニー:
ぶぅ〜、なんでぇ?
ジャン:
何でもです! あやうく死ぬかと
思ったじゃないですか!
アニー:
はぁ〜い。
第七回 †
ジャン:
…っ! 気のせいか。
ちょっとビクつきすぎかな?
もう増殖魔法は使わないって、
アニーさんも言ってたし…
でもなぁ…マイペースの
権化みたいな人だしなぁ…
アニー:
うにゅう…
ジャン:
噂をすれば、アニーさん…
うん、今度はちゃんとひとりだ…
座り込んで、何やってるんだろう?
アニー:
これをこーして…
ジャン:
アニーさん。
何してるんですか?
アニー:
ひゃっ!! ジャン?!
べ、別になにもしてないよ〜?
ジャン:
その慌てよう…さては、
また例の魔法を使おうと
してましたね?
アニー:
ち、違うモン!
魔方陣なんか書いてないモン!
ジャン:
じゃあ、何でそんなに
慌ててるんです?
アニー:
い、いきなり声かけられたから、
驚いただけだよぉ〜?
ジャン:
(怪しいなぁ…でも、確かに
魔方陣は見当たらないし…ん?)
足元に何か落ちてません?
アニー:
あっ! こ、これは…
なんでもないよ?
ジャン:
…何でもないなら、
どうして隠すんです?
アニー:
なんでもないったら、
なんでもないの!
ジャン:
あ、逃げた!
物事に動じないアニーさんが
あの慌てよう…一体何を
隠してたんだろう?
見られたくないもの…
見られると恥ずかしいもの…
うーん…下着とか…?
いやでも、あの恰好だと
今さら気にすることじゃないなぁ…
恥ずかしいじゃなくて、
僕に見られたくなかったとか…?
いやでも、平然とおしりを
見せ付ける人だし、それもないよな。
何かを隠してるのは間違いないけど…
一体、何なんだろう?
第八回 †
ジャン:
アニーさん…何してるんだろう?
いきなり呼び出しておいて、
忘れ物したとか言って
いなくなっちゃうし…
まだかなぁ…
アニー:
ジャン…
ジャン:
あ、やっと来た…
忘れ物って、何なんですか?
ジャン:
あ! もしかして、
この前隠してたやつですか!
アニー:
……
ジャン:
ははーん! 分かりましたよ!
さては、窒息死させそうになった
お詫びの品とかですね?
そんな気をつかわなくても、
全然大丈夫ですよ!
アニー:
お詫びじゃなくて、お礼だモン!
ジャン:
うわ! 何です?!
いきなり抱きついて来て…
アニー:
いつも構ってくれて…
とっても嬉しかったんだよ。
ホントは、知らない世界に
ひとりぼっちで、
すっごく寂しかったの…
ジャン:
そうだったんですか…!
もしかして、自分の分身を
作ってたのも…
アニー:
うん…
だから今日は、
ジャンにお礼を言いに来たの!
ジャン:
(アニーさん…
お礼って…お礼ってもしかして…!)
(ここから妄想?)
アニー:
ジャン…
んっ…
ジャン:
(こ、この大勢は…キス待ち?!)
(キスシーン)
アニー:
うにゅー!勝負服を着てみたの!
うー、すっごくどきどきするよぉ
あのねあのね
本当の私を…あなただけには見てほしいの…
ちょっとくらい…年上でも…いいよね?
私の永遠の時間を…あなた‥だけに…
(現実)
なんてことを待ってるんですね!
アニーさん! まかせてください!
…ん〜〜!!
って、いないぃ!??
アニーさんが…消えた?
この消え方は…まさか…!?
アニー:
うにゅう〜っ、おっかしいなぁ?
どこいっちゃったんだろうぉ?
ジャン:
アニーさん…!
さては、またあの魔法を
使いましたね…?!
アニー:
え〜っ? なんでバレてるのぉ?
ジャン:
詳しくは省きますが…
今、すぐそこにいたからです!
アニー:
ジャンから隠すの、
すっごく大変だったのにぃ〜!
もしかして、もう消えちゃったの?
ジャン:
消えましたとも! 残念ながらっ!
アニー:
…どしたの?
ジャン:
何でもありませんっ!!
アニー:
ちぇ〜! どっちがホンモノ?
って、クイズ出そうと思ってたのに…
外見も中身もそっくりにするために、
特性のアニーちゃん人形まで
作ったのになぁ…
ジャン:
はっ! …この前隠してたのは、
もしかしてその人形ですね…?
まったく…人形から複製しただけに、
さっきの偽物は本人そっくりで……
あれ?
(外見も中身もそっくりってことは…
もしかして…アニーさん…)
あの、アニーさん?
知らない世界に飛ばされて、
寂しかったりします?
アニー:
うにゅ? ぜ〜んぜん!
ジャン:
…ですよね。
アニー:
まぁでも、ちょっぴり…
ジャン:
…え? 何です?
アニー:
べっつにぃ〜!!