キュート

第一回

第二回

第三回

ジャン:
(あれから他の人にも聞いてみたけど、
ミシェルさん、時々お嬢様の
マネをしているみたいだ…)

(もしかして…ミシェルさんなりに、
お嬢様の代わりを務めようと…?)

(そんなこと必要ないのに…
探して話を聞いてみよう)

…ミシェルさん?

ミシェル:
あ、ジャン!
その顔は、またエッチなことを…

ジャン:
もういいですよ?

ミシェル:
…!

ジャン:
僕は、ミシェルさんと話がしたいんです。

ミシェル:
…………

ジャン:
どうして急にお嬢様のマネを?

ミシェル:
…だって…
みんな私のことキュートって…
呼ぶから…

でもそれは当然のことだってわかってる。
私があとから、
この体を借りただけなんだから…

最初は平気だったんだけど…
急に怖くなっちゃって…

ジャン:
怖く?
何をです?

ミシェル:
もしかしてみんなは私の事…
必要としていないんじゃないかって…

ジャン:
そんなこと…!

ミシェル:
私はみんなのこと大好きだし、
離れたくなかったから…
中身もキュートでいなきゃって…

ジャン:
それであんなことを…

ミシェル:
…ごめんね。
似てなかったよね、私。
自分でもわかってたんだけど…

ジャン:
似てなくて当然です!

ミシェル:
ジャン?

ジャン:
そりゃ急に声かけられたりしたら、
お嬢様って
呼んじゃうかもしれないですけど…

ミシェルさんはミシェルさんです!
お嬢様も大切な人ですけど…
ミシェルさんも大切な人です!

ミシェル:
…ジャン。

ジャン:
きっと他のみなさんも
僕と同じ気持ちですよ?

ミシェル:
…うん。
ありがとう…ジャン。

第四回

第五回

第六回

第七回

ジャン:
いやー、お嬢さまも記憶が
戻って良かったよぉぉぉ。

記憶の無い間に殺しの技を身につけてしまうとか、
誰かと結婚しちゃってるなんて本を
読んだ事あったけど。

でも、お嬢様は、お嬢様のままで……
本当に良かったぁ〜。

あの薄い胸、スカートの合間からチラチラとみえる
脚といい、なにから何までお嬢様!! これで、
僕を憐憫の目でみてくれれば完璧だなぁ〜。

まだ、僕をタコ殴りしたり放置プレイしたり
してくれてないあたりが遠慮を感じるなぁ〜。

(あれ、どこからか何か視線を感じるぞ??)

(何だろ? 僕の眠れる第6の感覚が
ピンク色のオーラを湧き立たせ、
心がふるえているぞ!?)

そこっ!!

キュート:
キャッ!! ちょ…ちょっと、
ジャン、突然なによぉ〜っ。

ジャン:
お嬢様だったんですかぁ〜
どうしたんですか? そんな所で??

キュート:
あ…あのね…ジャン。

わたし…今回の事で色々とわかったの…

記憶を失っていた間の事、失う前からの事、
いっぱい思い出していた…

ジャン:
お…お、嬢様…?

キュート:
私、このままじゃ駄目になっちゃうっ!!

自分の気持ちに正直にならないと、
なんか納得いかないって感じなの!!

だけど、だけど、突然こんな事云って……
今までみたいに戻れなくなったら…

ジャン:
な…な…何ですか!? お嬢様!?

(このパターンは、森にひっそりと
育った伝説の巨大なヤマウドの下で恋を
告げられるというアレでは!?)

(ふっ、兄弟のように暮らし、従者になり、
今までの僕の献身的な姿が実を
結んだって事かな…)

(いいでしょう!! 僕の恋愛パートナーの
一人に昇格をいたしましょう!!
お嬢様!!)

(だがしかーーーーし!! 何が起こるか
わからないのがいつものパターンだ!!
ここは様子を見ておくとしましょう)

キュート:
ジャン? ねぇ、ジャン??
ちゃんと聞いて、私…真剣なんだよっ!!

ジャン:
…は、はいっ! もちろんですよ、お嬢様!!
僕は、お嬢様の剣であり
盾なのですからっ!!!

(クックックッ、恋する乙女は不安ですからね〜)

キュート:
あのね、いつも一緒にいてくれてるのに
変な話なんだけど…

こんど、この奥にある森に来てもらえるかなぁ?
ほら、でっかい植物がある所なんだけど知ってる?

…だ、駄目かなぁ?

ジャン:
(キタキタキタキタキターーーーーーッ!!
このフラグは完璧じゃないですか!!
…ひとまず…)

は…はいっ!! 伝説のヤマウドの
と…とこ…所ですね!!

大丈夫です! 任せて下さい!!
観光案内だって出来ますよ!!

キュート:
エヘッ、やっぱりジャンはやさしいね、
相談してよかった。
ありがとっ!! じゃぁ、約束だよ!!

来てほしい時は、私の方から呼ぶから待ってて!

なんか、恥ずかしいから、
先にみんなの所に戻ってるね!!

ジャン:
…フフフ、恥ずかしがっちゃって、
可愛いなぁ〜。

いつ呼んでくれるのかな?
まさかと思うけれど、このままお嬢様
この話忘れてしまうなんてこと…

いや、あんなに真剣そうに話していたんだ!
きっと大丈夫!

…お嬢様、あなたの愛をしっかりと
受け止めてみせますよ!!

第八回




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Last-modified: 2011-09-07 (水) 03:03:47 (4609d)