[[アイリ]] *第一回 [#y18738e8] アイリ: ふむふむ…さすがに どなたも粒ぞろい… 目移りしてしまいますわ。 こうなったら、全員まとめて 精気をいただいてしまおうかしら… でも、どうすればあんな大勢を…? ジャン: いや〜、今日もいい天気だな〜…って、 アイリさん、なにやってるんですか? 物陰なんかに隠れて。 アイリ: ひぇっ!? ジャン: !? ど、どうしたんですか!? アイリ: ど、どなたかと思えば… ジェル様でしたか。 ジャン: ジャンです。 アイリ: それは失礼しました。 しかし、これはジャン様にはまるで 関わりのないことですので… ジャン: でも…アイリさん、様子が変ですよ? 隠れてないで、みんなのところに 行きましょうよ。 アイリ: えい、私はここで結構ですわ。 ジャン: ? どうしたんですか? …もしかして、誰かとケンカしたとか? いえいえ、とんでもありませんわ。 私が皆様と争うなんて… ジャン: そうですか? だったらどうして… …あ、わかった!!! アイリ: (ギクッ!) ジャン: トイレですね? 冒険の途中って、 トイレがなくて困りますよね〜。でも安心 ですよ。無効に僕の掘った穴が… アイリ: ち、違いますわ! 勝手に納得しないでっ! 私はただ、皆様の精気を… ジャン: へ…? せいき…精気? アイリ: (あ、しまった…つい…) ジャン: 皆さんの精気…? それ、どういうことですか、 アイリさん? アイリ: …仕方ありませんわ。もうジャン様には 隠せませんわね… こうなったら、あなたにも きっちり協力していただきますわよ? ジャン: きょ、協力…? なにを? アイリ: あなた様は黙って私に従えばいいのですわ。 さもなくば… ジャン: わ、わあ! 鎌を突き付けないで ください、鎌を! アイリ: 納得していただけたようで よかったですわ。 ジャン: …で、あのう…協力って、 僕はなにをお手伝いすれば…? アイリ: ここでは人目に付きますから、 詳しくは次の機会に話しますわ。 では、ご機嫌よう。 ジャン: は、はあ…? …行っちゃった… よくわからないけど、アイリさんに こき使われることになりそうだなあ… …ま、いいか。どうせヒマだし、これを 機会にしてアイリさんともっと仲良く なれるかもしれないしね…うふふふ… *第二回 [#y18738e8] ジャン: え〜と、アイリさんはどこかな? …こんな寂しいところによびだして、 いったいなんの用だろう? アイリ: お帰りなさいませ、ジェル様。 ジャン: うわぁ!? あ、アイリさん!? 急に後ろから出てこないでくださいよ。 オバケが出たかと思いましたよ。 アイリ: …ある意味では当たりですけれど… まあいいですわ。じゃあ、さっそく 今日から手伝っていただきます。 ジャン: あのう〜…それで、僕は何を手伝えばいいのでしょうか? アイリ: この間も言いましたように、 女性の皆様の精気を吸うため 作戦を立てていただきたいのです。 ジャン: 精気を吸う…? アイリ: ええ。せっかくお美しい方たち と一緒に旅をしているのですから。 この機会に大量の精気を いただけないかと。 ジャン: お、女の子の精気ですか… せ、精気…せいき…ぐふふ… アイリ: …なんだか、ジェル様が言うと すごく嫌な響きになりますわね… とりあえず、ヨダレを拭いてくださる? ジャン: す、すみません…つい興奮して… それはそうと、1回スルーしちゃいましたが 僕の名前はジャンですってば。 で、でも、女の子の…仲間の 精気を吸うだなんて、良くない ことなのでは? アイリ: まあ、良いことではないのは たしかですわね。 ジャン: な、なら…! アイリ: でも、私にとってもこれは死活問題。 生きるための食事なのですわ。 それに、精気を吸うと言っても 命までいただくわけでは ありませんもの…ね? ジャン: は、はあ…でも、それなら 僕の精気とかじゃダメなんですか? わざわざ女の子を襲わなくても… アイリ: 別に男性でも大丈夫ですけれど、 やっぱり美女の方が好みですわ。 ジャン: あ、そうなんですか… でも、やっぱり女の子を襲うのは 良くないような… アイリ: …納得できないというなら、 もういいですわ。私ひとりでも なんとかできますもの。 ジャン: あ、いえ、そんな! 手伝います、手伝いますってば! (アイリさんを放っておいたら、 どんな無茶をするかわかったもんじゃ ないからな…) (僕がアイリさんをしっかり監視して、 仲間を守ってあげなくちゃ!) アイリ: 本当ですの? 良かった…やはりあなた様は 頼りになりますわね! ジャン: いやあ、そんな… (それに、こうしてアイリさんとの 中を深めていけば…) (ぼ、ぼぼぼ、僕のほうが精気を… アイリさんと吸ったり吸われたり しちゃったりなんてことも…?) アイリ: (ジャン様、何を ニタニタしているのでしょう… 気持ち悪い…) と、とにかく、よろしく お願いいたしますわよ? ジャン: は、はい! アイリ: それでは、美女たちの精気を おなか一杯吸ってしまいましょう〜! ジャン: (…やはり、なんとしても アイリさんの暴走を止めなくては… ぎ、逆の意味でがんばるぞ〜!) *第三回 [#y18738e8] ジャン: さて、アイリさんの手伝いを すると言ったはいいものの… やっぱり、どうにかして やめさせないとなあ… う〜ん、どうしよう? …そうえいば、アイリさんは 美女の精気が好きだって言ってたけど… 仲間の女の子たちを守るには… ! …そうだ! ぼくがアイリさんに 男らしいところを見せて、女の子よりも 男に…僕に興味を持たせられれば… そうすれば仲間を守れるし、 僕とアイリさんも…ムフフ… よし、そうだ! それがいい! アイリ: なにを大声で叫んでいるんですの、 ジャン様? (ここは名前を変更していてもジャンと呼ばれるようです。ミス?) ジャン: いや、ですからジャンですってば。 (ここは変更した名前を言います) アイリ: ええ。そうお呼びしましたが。 ジャン: あ、あれ? そうでしたって? …そういえばそうですね。 すみません…ついうっかり。 って、そうじゃなかった! 実はアイリさんに用があったんです! アイリ: ? 私にご用ですの? ジャン: は、はい! 僕、もっと アイリさんのお役に立ちたくて、 いろいろ考えてたんですよ! アイリ: あら、本当ですの? それで、なにか良い考えは 浮かびましたの? ジャン: ええ! 美女の精気を集める ためには、まずアイリさんと僕が 理解を深める必要があると思います! アイリ: 理解を深める…? 具体的にはどういうことですの? ジャン: 難しいことはありませんよ。 アイリさんと僕がお話をして、 お互いの気持ちをよく知ればいいんです。 アイリ: 私の気持ち…? ジャン: はい。例えば僕がアイリさんの 立場に立って、もっとアイリさんを 理解すれば… アイリ: あ、なるほどですわ。 ではさっそく… ジャン: え、アイリさん? どうして鎌を…? う、うひゃあっ!? 危ないっ! な、なんで鎌を振り回すんですか!? しかも、きっちり僕の首を狙って…! アイリ: でも、私の立場に立ちたいのでしょう? でしたら、同じレイスになっていただくのが より確実かと思いまして。 ジャン: れ、レイスって、死霊!? アイリ: ええ。うまくレイスになれるかどうかは わからないけれど、とりあえず やるだけやってみましょう。 ジャン: そ、そんな軽い気持ちで僕の 首を狙わないでくださいっ! アイリ: 嫌ですわね、大声をだして。 そんなことじゃ、お互いを理解 し合おうなんて不可能ですわよ? 先が思いやられますわね… やれやれですわ。 ジャン: そ、それはこっちのセリフですっ! (や、やっぱりアイリさんは ちょっとズレてる…危険だ。 僕が仲間たちを守らないと!) アイリ: はあ…今日は気分が乗りませんわ。 でも、次回はしっかり手伝って もらいますわよ? では、ごきげんよう。 ジャン: は、はい…では、また… (時間がない…どうにかして 僕の男らしさをアイリさんに証明し、 男の良さを理解させなければ!) *第四回 [#y18738e8] ジャン: ふん、ふん! …ふう、たまには訓練もいいものだな。 素振りなんて久しぶりだけど、常に 先頭に備えておかなくちゃいけないし… なにより、アイリさんに僕の 男らしさを認めてもらわなくちゃ いけないもんね。 アイリ: あら、ジャン様? 何をなさっているのでしょう? あ、アイリさん! …いやあ、ちょっと素振りをですね… そうれすか、鍛練を欠かさないとは、 ジャン様にも意外な一面が おありなのですね。 ジャン: いやあ、アイリさんに褒められると 照れちゃいますよ、へへへ… アイリ: 手荒な真似はしたくありませんけれど、 精気をいただくため、時には武力を 行使する必要もありますものね。 ジャン: あ、いや…ええ、まあ… …そ、それよりアイリさん! どうですか、僕の腕? アイリ: ? ジャン様の腕…? ええと、2本ありますわよ。 ジャン; あ、いえ、数じゃなくて… どうですか、僕の筋肉? 力こぶとか、男らしくないですか? アイリ: …どこにも力こぶなんて 見えませんけれど…? 平らでナヨナヨした腕ですわね。 うっ…そんな、ひどい… …で、でも、大切なのは見た目じゃ なくて中身です! 僕、戦いで鍛えられてるから 意外と力持ちなんですよ? アイリ: …そうでしょうか? …まあ、夢を見る権利は誰にでも ありますわ。 ジャン: う…口調は丁寧だけど、ものすごく 辛口ですね…い、いいでしょう。 だったら僕の力を証明して見せます! アイリ: きゃ…ちょっと、なにを なさるおつもりっ!? ジャン; ちょっとその鎌を貸してください! 男の僕にかかれば、アイリさんの 武器なんて軽々と…軽々と…? アイリ: …どうなさいました、ジャン様? 座り込んでしまって… ジャン: お…重いぃぃ… アイリさん、普段、こんなに重い 武器を振り回しているんですか!? アイリ: 嫌ですわ、人を怪力女みたいに。 こういうのは、コツをつかめば案外 軽く振れるものなんですのよ。 ジャン: そ…そうは言っても… ぜ、ぜんぜん持ち上がらない… アイリ: 呆れましたわねえ。 ジャン様、鍛え方が 足りなすぎるのではありませんか? ジャン: は、はあ…面目ない… アイリ: 私の精気集めに協力してもらうからには、 もっと頼れる人になってもらわなくては 困りますわよ? ジャン: はい…そうですよね。 以後、気を付けます… アイリ: お分かりいただければ結構です。 では、鍛練にお戻りなさい。 ジャン: い、イエス、マム! ジャン、 鍛練に戻りますっ! アイリ: いい返事ですこと。 では、ごきげんよう。 ジャン: はい! ありがとうございましたっ! …いやー、アイリさんは頼りになるなあ。 僕ももっと強く… …って、違うっ! アイリさんに男のたくましさを アピールするはずだったのに、これじゃ あべこべじゃないか! くうぅ…僕が頼りないばっかりに、 作戦が失敗してしまった… でも、次こそはアイリさんに 男の素晴らしさを理解させて みせるぞー! *第五回 [#y18738e8] ジャン: さて…前回はアイリさんに 男らしさを理解させることは できなかったけど… 別に大切なのは腕力だけじゃ ないもんね! もっと僕に合った アピール方法があるはずだ! …というわけで、今日は料理に 挑戦してみよう。男の料理ってやつで 僕の魅力をアピールだ! 肉も野菜もドバーッと入れて、 ワイルドなシチューをアイリさんに ごちそうしてあげよう! ジャン: 『ジャン様、料理がお上手ですのね… あなたとなら良い家庭が作れそうですわ』 …なんて言われちゃったりして…でへへ。 よーし、がんばるぞー! …さて、そろそろできたかな? …うん、いい味付けだ。 じゃあアイリさんを呼んでこよう! アイリ: …ジャン様? 突然呼び出して、なんのご用でしょう? ジャン: いやあ…今日は、普段メイドさんとして がんばっているアイリさんを、逆に僕が もてなしてあげようと思いまして。 アイリ: もてなす…私を? ジャン: はい! だから、今日の食事は僕に 任せてください! 遠慮なく、 お腹いっぱい食べてくださいね! アイリ: そんな…お気持ちはありがたいけれど、 お言葉に甘えるわけにはいきませんわ。 ジャン: 遠慮しないでくださいってば! 僕からのささやかな気持ちですから。 アイリ: でも…本当にいいんですの? 私って、案外たくさん食べますわよ? ジャン様の分がなくなってしまうかも… ジャン: 大丈夫! 僕のことは心配しないで ください! アイリ: ジャン様…本当にいいんですのね? ジャン: (わ…アイリさん、僕の手を握って… そんなに感激してくれたのかな?) (こ、これは…僕たちの仲が 急接近している予感…!) アイリ: …では、遠慮なくいただきますわね。 ジャン: はい、どうぞ! 自慢のシチュー… アイリ: いただきま〜す! (かぷっ) ジャン: へっ…? あ、あの…アイリさん? どうして 僕の腕に噛みついて… アイリ: んぐ、んぐ… ジャン: あ、あれ…? ち、力が… 抜けて、いく…? アイリ: ん〜、久しぶりの精気ですわ〜。 んぐ、んぐ… ジャン: ちょ、ちょっと、アイリさ…! …ふわぁ、だめだぁ… 抵抗する力が…出ない… アイリ: 今日はお腹いっぱい いただきますわよ〜! んぐ、んぐ… ジャン: だ、誰かぁ〜… アイリ: ぷはぁ〜! 御馳走様でした。 ジャン: う…うぅ…あうぅ… …ぼ、僕、生きてる…? アイリ: ん〜…やっぱり美女の精気の方が 好みですけれど… とりあえず、お腹はいっぱいに なりましわ。 ありがとうございます、ジャン様。 ジャン: ひゃ、ひゃい…喜んでいただけた ようで…にゃにより… アイリ: ちょっと吸いすぎましたかしら? …ちょうどここにシチューがある みたいですから、これを食べたら 元気が出るかもしれませんわよ? ジャン: ふぁ、ふぁい… 後で食べます…今は…食事をする 気力もないもので… アイリ: そうですの? くれぐれも体調には お気をつけて。では、ごきげんよう。 ジャン: う…うぁう…ひゃい、 さようなら… う…うかつだった…アイリさんに とっての『ごちそう』っていうのは、 精気を吸い取ることだったんだ… とりあえずアイリさんは喜んでくれた みたいだけど……か、体が動かない… …誰か、助けてぇ〜… *第六回 [#y18738e8] ジャン: あぁ…この間はひどい目にあった。 精気を吸われるのって、ものすごく 疲れるんだなあ… あんなに疲れるんじゃ、誰かに頼んだって 精気を吸わせてくれるはずがないよなあ… アイリさんも大変だな。 アイリさん、普段はどんな風にして 食事…精気を集めてるんだろう? 僕以外の仲間が襲われたら大変だし、 今後のためにもアイリさんに聞いて みようかな? …あっ、いたいた。 おーい、アイリさーん! アイリ: あら、ジャン様。 先日は精気をごちそうさまでした。 ジャン: あ、いえいえ… (本当はシチューをごちそうしようと 思っただけなんだけど…) アイリ: どうです? あれから体調は崩されて いませんでしょうか? ジャン: はあ…ちょっとだけ疲れが残り ましたけど、今はもう大丈夫です! アイリ: それはなによりですわ。 ジャン: で、でも…アイリさんって、いつも ああいう風に精気を吸っているんですか? アイリ: ? いいえ。美女から精気を吸う 時には、もっと違う方法で吸いますわ。 せっかく美女から精気をいただく からには、楽しまないともったいない ですもの。 ジャン: た…楽しむ…? アイリ: そう。単に精気を吸うのではなく、 たっぷりと恐怖を味わわせて… 美女の悲鳴を聞きながら、 いろいろな方法で精気を 吸い取るのです…うふふ。 ジャン: (う…アイリさんの笑み、なんだか いやらしいような怖いような… いったい、どんな吸い方を…?) と、ところで、精気を吸うのは ともかく、恐怖って…? そんなことが必要なんですか? アイリ: あら、当然ですわ。獲物の精神状態に よって精気の味わいも違いますし… …それになにより、美女が恐怖に おののく様子を見るのって、とっても 楽しいでしょう…ふふっ。 ジャン: そ、そういうものですか? アイリ: ええ…美しい顔が苦悶に歪み、 抵抗できない状態で私に精気を 吸い取られていく… …ああ、想像するだけで興奮してきて しまいますわ… ジャン: …あ、あの〜…せめて、恐怖を 与えるのは勘弁してあげては…? 精気をいただくだけで… アイリ: あら、そんなの、お料理をせずに 生でお肉を食べるようなものですわ。 やっぱり、きちんと味付けをしないと おいしくありませんでしょう? ジャン: は、はあ… アイリ: 美女に恐怖を味わわせる時は 私の手下の低級霊ブラザーズに 動きを封じさせるのですけれど… 今後はジャン様にもお手伝い いただけるのですよね? よろしくお願いいたします。 ジャン: えぇっ!? ぼ、僕も女の子を いじめる手伝いを…!? アイリ: 何か…ご不満でも? ジャン: いえいえ、そんなことは! アイリ: そうですか。 では、私は誰か獲物…美女たちの 様子を見てきますわね。 ジャン: は、はい! 行ってらっしゃい。 あの〜、実行する前には僕にも 相談してくださいね〜? アイリ: 了解ですわ。 それではごきげんよう。 ジャン: う〜ん…やっぱりアイリさんを 野放しにしておくのは危険だな… 女の子が怖い目にあわされないよう、 ばっちり監視していこう! …でも、アイリさん、美女たちから どんなふうに精気を吸うのかなあ… ぐふふふふ… …っと、いかんいかん、妄想を楽しんで いる場合じゃない。女の子たちの身は 僕が守り切ってみせるぞ! *第七回 [#y18738e8] ジャン: はあ…アイリさんに付き合わされる ようになって以来、疲れること ばっかりだよ… アイリさんともっと仲良くなりたいのに、 なかなか距離も縮まらないし… 僕の計画では、アイリさんと親密な仲に なって、あのメイド服に包まれた カラダを…むふ、むふふふ… …なんて妄想してても始まらないか… はあ…もっとこう、仲良くなる機械と いうか、スキンシップというか… アイリ: あら、どうなさいました? ジャン様。 ため息などついて。 ジャン: あっ、アイリさん。 いや、別になんでもないんですけど… アイリ: そうですの? でも、ため息をつくと 幸せが逃げると申しますわ。 元気をお出しください。 ジャン: あ、ありがとうございます… アイリさんはいつも元気ですよね。 …レイスが元気ってのもおかしいけど… アイリさんって、普段、御主人様の お世話ばかりでお休みなんか ないんでしょう? よく体がもちますね。 アイリ: 私はお仕事を楽しんでいますもの。 すべては気の持ちようですわ。 ジャン: そんなものですかねえ… アイリ: まあ、それでもたまには 疲れを感じることもありますけど… ジャン: 本当ですか? だったら、僕が アイリさんの肩をもんで 差し上げますよ! アイリ: えっ…そんな。そこまでして いただくわけには… ジャン: いいですから、いいですから。 たまにはアイリさんもお世話される 側になってください。 アイリ: …それじゃ、お言葉に甘えて お願いしますわ。 ジャン: はいっ! (…よし。強さでも料理でも アイリさんに男の良さをアピールする ことはできなかったけど…) (ここはひとつ、僕の優しさで アイリさんとの仲を深めてみせるぞ!) では始めます… …おぉ、柔らかい肩… アイリさん、あんまりこってませんね? アイリ: そうですの? でも、とっても気持ち いいですわ… ジャン: 喜んでもらえてなによりです! では、モミモミモミモミ… アイリ: ああ、上手ですわ、ジャン様… ジャン: そうですか? じゃあ、もっと 前の方も…って、おおっ! アイリ: ? どうしましたの? ジャン: い、いえ、なんでも! (…さっきは気づかなかったけど、 ここからだと、アイリさんの、む、 胸の谷間がばっちり見える…!) (ぼ、僕の指先のちょっと下に アイリさんの胸が…! …ハッ! そうだ!) (この状況なら『手が滑った』と 言えば、胸の中に手を入れても 事故で済むかも…!?) (…よし! 思い立ったら実行だ! ジャン、いっきまーす!) ???: (ギュッ) ジャン: へっ!? …あ、あれ…!? からだが、動か…ない…? な、なにかが僕の体にまとわりついて… アイリ: あら…ジャン様、どうされました? 低級霊たちと遊んだりして。 ジャン: えっ…ぼ、僕の動きを封じて いるのって、アイリさんの配下の 低級霊ブラザーズっ!? アイリ: ええ。…どうしたのかしら。 どうやら、私の身の危険を感じた ようですが… …ジャン様、あなた、私になにか 危害を加えようとされましたかしら? ジャン: い、いいえ! めっそうもない! それどころか、僕はアイリさんに キモチイイことをしてあげようと… アイリ: …… ジャン: ハッ…! しまった! 思わず正直に答えてしまった! アイリ: …どうやら、低級霊ブラザーズに お礼を言わなければ ならないようですね… ジャン: そ、そんな! 誤解です! 僕がキモチイイことと言ったのは、 肩揉みのことで… アイリ: お黙りなさい。あなたのその いやらしい表情が、なによりの 証拠ですわよ。 …低級霊ブラザーズ。 私がこの場を離れるまで、 ジャン様を締め上げておきなさい。 ジャン: え…う、うぎゃああぁぁ! (ミシミシミシ…) アイリ: 身動きできない恐怖と痛みを 味わいながら、そこでしっかり 反省することですわね。 ジャン: い、痛たたたた、痛いってば〜! うぅ…見た目はかわいくても、さすがは 死霊…アイリさんはやっぱり怖い… て、低級霊ブラザーズさんたち? 君たちも、もっと手加減を… い、いぎゃあぁぁぁ〜! 今! 今なんか、ポキッと鳴ったよ!? ギブ! ギブアップ! 助けてぇ〜…! *第八回 [#y18738e8] ジャン: …ええと、アイリさんは どこにいるんだろう? 急に呼び出しなんて… また危険な目に あわされないといいけど… …いや、待てよ…? だれもいないところに僕を 呼び出すということは… もしかして、アイリさんもようやく 僕の魅力に気づいたのかもっ!? そう、アイリさんだってやはり女性。 男である僕の精気の味が 忘れられなくなって… (ここから妄想キスシーン) アイリ: あなたの精気が… いいえ、あなたのすべてが欲しいですわ。 わたくしのすべて、受け取ってくださいます? わたくしの心は、あなただけのもの。 今日からは、あなた専属のメイドとして、 ご奉仕させていただきますわ。 ふつつか者ですけど、 よろしくお願いしますね。 ご主人様。 (ここから現実) ジャン: あ、アイリすゎーんっ! アイリ: きゃ! び、びっくりしましたわ… なんですの、いきなり大声で。 ジャン: あ、アイリさん… そこにいたんですか。 アイリ: 私があなたを呼んだのですから 当然でしょう? ジャン: あ、そうですよね。 それで、僕を呼んだ用というのは…? アイリ: ああ、そうそう。 今までさんざんジャン様には お世話になりましたから… ちょっとお礼をさせて いただこうと思いまして。 ジャン: えっ…お礼だなんて… 僕まだ心の準備が… でもまあ、せっかくですし…ぐふふ。 アイリ: …じゃあ、目を閉じて、手を後ろに 回して…? ジャン: え…手を後ろに…? 変わったやり方ですね。 でもまあ、アイリさんが言うなら… アイリ: …さあ、目を開いてください。 ジャン: えっ…まだなにもしてないのに? 目を開きながらするんですか? なんだか照れるなあ… …って、あれ…? 動け、ない…? これってもしかして… アイリ: 低級霊ブラザーズに拘束 させましたわ。これで動けませんわね。 ジャン: えぇっ!? なんでそんなことを? ひどいですよ、アイリさん! アイリ: おだまりなさい。 あなたときたら、私の精気集めに 役に立つどころか… いやらしいことまでしようとして、 邪魔にしかなっていなかったじゃ ありませんの! おかげで最近、私のお腹は ぺこぺこですわ! だから今日は、徹底的に ジャン様の精気を吸わせて いただきますわ! …言っておきますけど、今日は この間みたいに手加減はしませんわよ? 本当に遠慮なく吸わせていただきます。 したがって、ジャン様の健康は 保証できませんわね! ジャン: ひ、ひえ〜! そんなあ! ちょ、ちょっとは僕の体のことも 考えてください! アイリ: おだまりなさい。 命が惜しければ、せいぜい 気をしっかり持つことですわ。 美女でないのが残念ですけれど、 久々の食事ですわ。 では、いただきます…(かぷっ) ジャン: ひぎゃぁ〜! アイリ: んぐ、んぐ… 男にしてはなかなかの味ですわね。 空腹は最高の調味料ですわ。 今日は食べ放題コースですわ! たっぷりいただきますわよ! ジャン: た、食べ放題なんて認めてません! 助けて〜! アイリ: うふふ…パーティーはまだ はじまったばかり。 夜はまだまだ長いですわよ…? ジャン: うぅ…そのセリフ、もっと別の状況で 聞きたかったです… アイリ: さあて…いよいよ 本格的にいただきますわ (がぶぅっ) ジャン: あぁ…アイリさんの唇の感触が… 気持ちいい…けど、駄目だ… 気が遠く…なる…(がくっ)